稀勢、意地の鶴竜瞬殺 白鵬も止める!
「大相撲名古屋場所・13日目」(24日、愛知県体育館)
大関稀勢の里が横綱鶴竜を寄り切り、10勝3敗とした。鶴竜は2敗目を喫して優勝争いから一歩後退した。横綱白鵬は大関豪栄道を寄り切り、1敗で単独トップに立った。14日目に白鵬が稀勢の里に勝ち、鶴竜が豪栄道に敗れると、白鵬の2場所ぶり35回目の優勝が決まる。
強い稀勢の里が横綱を打ち砕いた。立ち合い、力強く踏み込み左を差すと一気の寄り切り。休場明けVを狙う鶴竜を“秒殺”した。「思い切っていこうと思っていた。まあ、相撲に集中してやっただけ」。完勝にも言葉は冷静だった。
これで鶴竜との対戦成績は28勝13敗と圧倒。朝稽古で「特に変わったことはしない。気負うつもりはないし、いつも通りやれれば。全部勝つつもりでやっている」と誓った通り、真っ向勝負でねじ伏せた。
14日目は“宿敵”白鵬戦。自身が敗れ、鶴竜が豪栄道に負ければ千秋楽を待たずに優勝が決まる。「優勝阻止とかの考えはないけど、頑張らないといけない」と力を込めた。
白鵬との対戦成績は12勝39敗と大きく差をつけられているものの、先場所は土をつけ、白鵬の7場所連続優勝を阻止した。今場所、自身は3敗を喫し優勝は厳しいが、ゼロではない。わずかに残る逆転Vの可能性をたぐり寄せるためにも、横綱連倒しかない。
3横綱に加え、新進気鋭の新大関照ノ富士らモンゴル勢の全盛期。そんな中、日本人大関として立ちはだかってきた。「一日、一日。力を出し切れるようにしたい。状態はだいぶ上がってきた」。名古屋の相撲ファンの声援を力に、稀勢の里が連日、一泡吹かせて見せる。