白鵬負けた…12勝負けなし隠岐の海に
「大相撲秋場所・初日」(13日、両国国技館)
2場所連続36回目の優勝を目指す横綱白鵬(30)=宮城野=が、小結隠岐の海に寄り切りで敗れてまさかの黒星スタートとなった。白鵬が初日に敗れたのは5月の夏場所に逸ノ城に敗れて以来。隠岐の海は13回目の対戦で白鵬に初めて勝った。横綱鶴竜は栃ノ心を寄り切り、照ノ富士、稀勢の里、豪栄道、琴奨菊の4大関もすべて安泰だった。
4大関1横綱が順当に勝ち、上位陣安泰かと思われたところで、結びで大波乱が待っていた。初顔から12連勝中という相性のいい相手に、まさかの黒星を喫した白鵬は、支度部屋に戻ってやや気落ちした表情を見せ、「言うことはないんじゃないの。見ての通り。負けは負けですから」と淡々とコメントした。
隠岐の海が突っかけたあとの2度目の立ち合い。グイグイ圧力をかけられ、得意の右四つに組めず左四つになり、上手を取られる苦しい体勢になった。ここからすかさず右を巻き替えてもろ差しになったが、すぐに隠岐の海に右を巻き返されるとズルズルと後退して土俵を割った。横綱らしからぬあっけない負け方。北の湖理事長(元横綱)も「どうしたのかな。ちょっと雑になったのかな」と首をかしげるほどだった。
所属する宮城野部屋の建物に耐震性の問題が生じ、場所前は全て出稽古を強いられた。初日のこの日、ようやく新しい稽古場で汗を流したが、ちゃんこ場や個室がないため慌ただしく以前の部屋へ移動した。調整過程や場所に臨む感覚に微妙な影響があったかもしれない。2日目からどう立て直すのか。V36へ、にわかに暗雲がたれ込めてきた。