嘉風、豪栄道圧倒!2横綱&2大関撃破
「大相撲秋場所・6日目」(18日、両国国技館)
平幕の嘉風が大関豪栄道を押し倒しで破って4勝目。これで2横綱2大関を撃破。横綱・大関戦を全て終え、横綱白鵬の休場により本命不在の今場所で、優勝争いのダークホースになる可能性が出てきた。大関照ノ富士は栃ノ心を寄り切って6連勝とし、早くも単独トップに立った。1敗は横綱鶴竜ら5人。
秋場所に吹き荒れる嘉風旋風が止まらない。立ち合い、鋭く当たると一気に土俵際に押し込む。最後は豪栄道の背中を押さえつけ、土俵にたたきつけた。
2、3日目に白鵬、鶴竜から金星。前日は琴奨菊と、2横綱2大関を撃破する快進撃。「夢みたい。自分が自分という感じがしない」と頬を緩めた。
「今がベスト、あしたがピーク。あさってはもっとピーク」。昨年夏場所、昭和以降8位の高齢となる32歳1カ月で新三役に昇進した苦労人は、どこまでもポジティブ思考だ。
177センチと幕内では小兵。2年前まで「相手を実力以上にとらえて恐怖心があった」と言う。その恐怖を「とにかく相撲を楽しむんだ!」と自らに言い聞かせ、克服してきた。
日に日に大きくなる館内の大声援。前日までよく響いた長女・梨愛(りな)ちゃん(6)の「よしかぜー」の声はこの日、聞こえなかったほど。それでも「アゲ家族」は、またまた勝ち運を呼んだ。
横綱・大関戦を終えて4勝2敗。優勝争いには「照ノ富士関がいるじゃないですか、独走ですよ」と無関心を装うが、相撲人生最高の風に乗りに乗っている。「よっしゃー、あしたはまた面白いくするぞー」。威勢よく、張りのある声で締めくくった。もちろん、1敗の栃煌山も吹き飛ばす。