照ノ富士、琴奨菊を一蹴 11連勝
「大相撲秋場所・11日目」(23日、両国国技館)
照ノ富士は琴奨菊との大関同士の対戦で、左四つ、右からのおっつけで寄り倒して11連勝。単独トップを守り、2度目の賜杯へまた一歩前進した。北の湖理事長(元横綱)は「もう逃げ切りだと思う」と優勝を断言。また、照ノ富士は今年の年間勝利が55勝となり、今場所休場の白鵬を抜いてトップに立った。
照ノ富士は立ち合いで右からの張り差しで琴奨菊の当たりを止めると、あえて相手十分の左四つに組んで勝負に出た。右上手を許しても全く動じない。逆に右からの強烈なおっつけで180キロを浮き上がらせ、最後は豪快に寄り倒して11個目の白星を積み上げた。
支度部屋では「右上手?届きませんでした。(相手が)粘ろうとしてたので、右からおっつけていった」と淡々と振り返った。
在位24場所の古参大関を、まだ大関2場所目の23歳が危なげなく一蹴。現在の力関係を明確に示す内容に、北の湖理事長は「力強さが違う。照ノ富士は体に力がみなぎっている」と充実ぶりに感嘆する。10日目に鶴竜が2敗目を喫した時点でも照ノ富士の優勝確率を8割と明言していたが、この日は「もっと(V確率は)高くていい。もう逃げ切ると思っている。あとは全勝になるか、14勝になるかだけ」ときっぱり。残り4日で早々と優勝にお墨付きを与えた。
照ノ富士は同時にこの日の白星で、今年の年間勝利数が55となり、今場所休場した白鵬の54勝を抜いて単独トップに立った。「まだ終わってないから。でも、いいんじゃない」とニヤリ。07年から8年連続で白鵬が独占している年間最多勝の勲章を手にすれば、さらに世代交代を大きくアピールすることになる。優勝争いについても「自分で勝てばいいじゃん」と即答。追いすがる力士には目もくれず、賜杯をつかみにいく。