稀勢の里、照ノ富士寄り倒しVチャンス
「大相撲秋場所・13日目」(25日、両国国技館)
06年初場所の栃東を最後に、9年半も遠ざかっている日本出身力士の優勝へ、がぜん期待が高まってきた。稀勢の里が得意の左四つから照ノ富士を寄り倒し、3敗を死守。残り2日間を残して1差に詰め寄った。「まあ、攻めようと思っていきました」。持ち味であるがむしゃらな攻めから、優勝のチャンスを引き寄せた。
12日目終了時点で稀勢の里は3敗。照ノ富士は1敗だった。そこから挑もうとする逆転V。過去に同じような逆転劇を演じた例は3つある。
稀勢の里と同じように3敗からの逆転となると佐田の山以来、実に48年ぶり。長らくお待たせした日本出身力士の優勝となれば、そのくらいのおまけはほしいものだ。
取組を見た北の湖理事長は「稀勢の里をほめるべきだ。休まなかった。これしかない」とたたえたが、優勝争いには「こうなると前半、中盤が大きく響く。これが優勝できない要因」と厳しい。そんな周囲の意見を覆せるか。鶴竜との大一番に挑む。