照ノ富士意気込み「やるからには優勝」
「大相撲九州場所」(11月8日初日、福岡国際センター)
どんな逆境でもはね返してみせる。今場所での綱とりに関して懐疑的な声があることも承知している。それでも、わずかでも可能性がある限りはチャレンジする。照ノ富士はいつもそうやって、己れの人生を切り開いてきた力士だ。
大関2場所目だった秋場所。初日から11連勝で突っ走り、優勝争いのトップを独走した。しかし、13日目の稀勢の里戦で右膝を痛め、最後は鶴竜に優勝決定戦で敗れた。12勝での優勝同点。様々な評価が出ているが、師匠の伊勢ケ浜親方は「(昇進の可能性は)ゼロではない。相撲内容や勝ち方、どれだけ勝つのかを見ていかないといけない」と言及した。
さらに明確な昇進ラインには触れなかったものの、「全勝優勝してほしい。まず優勝しないことには次のステップにはいけない」ときっぱり。全勝Vなら、場所後の横綱昇進がないわけではないことを示唆した。
焦点となる照ノ富士の右膝の負傷は徐々に回復、19日からは秋巡業に途中合流した。綱とりの高いハードル、そして右膝のケガ。逆風が待ち受ける土俵になるが、「出るつもりです。出るなら思い切ってやって優勝を目指したい」と強い意気込みを示した。苦難が大きければ大きいほど燃える。白星を重ねて、あらゆる雑音を封じるつもりだ。