嘉風またまた鶴竜を圧倒!横綱戦4連勝
「大相撲秋場所」(8日、福岡国際センター)
9場所ぶりに小結に返り咲いた嘉風が、横綱鶴竜を渡し込みで破った。大分県出身の33歳のベテランは横綱戦4連勝で、初日から準ご当地の土俵を沸かせた。左膝負傷のため先場所を休場した横綱白鵬は、小結栃ノ心を上手投げで退け、右膝を痛めている大関照ノ富士は逸ノ城を寄り切った。
嘉風の勢いが止まらない。突き起こそうとする鶴竜の動きを封じて、低く潜り込んだ。引きに乗じて左を深く差して、右から相手の左足を渡し込んでもたれ込むと、横綱の体は溜まり席まで吹っ飛んだ。
2連覇を狙う鶴竜を3秒3で撃破する速攻劇。昨年の秋場所で勝って以来、鶴竜には3連勝だ。先場所の白鵬と鶴竜の連破に続き、対横綱戦4連勝という“横綱キラー”ぶりに「自分でもよく分からない。でも、最高の形になった」と夢見心地に浸った。
新小結だった昨年夏以来、9場所ぶりに小結に復帰した。大分県出身だけに、準ご当地場所になる。勝負の前は肩に力が入っていたが、プレッシャーを取り除こうとメンタルを切り替えた。「不安要素がスーッとゼロになった」と、無心の境地で立ち合いに臨んだ。
福岡国際センターのマス席は座布団が固定されているため、波乱を起こしても座布団が乱れ飛ばない。勝った直後に「あっ、ここは座布団が飛ばないんだ」と、判断できるほど冷静だった。3場所連続で2桁勝利を挙げている33歳。「今がピークですよ」と言いながら、さらに大物食いをやってのけそうだ。