白鵬やぐら投げで逆転!7連勝で独り旅

 「大相撲九州場所・7日目」(14日、福岡国際センター)

 ただ一人、全勝の横綱白鵬は、先場所敗れた隠岐の海に寄られたものの土俵際でやぐら投げの大技で逆転勝ちし7連勝とした。立行司・式守伊之助は軍配を隠岐の海に上げたが物言いがつき、差し違えで、伊之助は8日目から3日間の出場停止処分となった。1敗で横綱日馬富士、大関稀勢の里、琴奨菊、平幕の勢、松鳳山、高安の6人が追う。

 俵に足がかかり体は伸び切っていた。絶体絶命のまさに土俵際から、白鵬が観客の度肝を抜いた。両まわしを引きつけ、右膝を隠岐の海の内股に入れて跳ね上げた。右上手を豪快にぶん回し、左足一本で1回転。相手を土俵下に突き落とした。

 先に白鵬の足が出ていたと軍配は隠岐の海に上がったが物言い。足は土俵を割っておらず勝ちに覆った。決まり手の「やぐら投げ」は09年7月の名古屋場所で朝青龍が日馬富士に34年ぶりに決めて以来。“一発大逆転サヨナラ星”に興奮を隠さず、気合満点の表情で懸賞金の束をわしづかみにした。

 「似たようなものはあったかもしれないけど、あんなにきれいなのは初めて。とっさだね」。支度部屋では涼しい顔で振り返った。これで、ただ一人、初日から7連勝。単独首位を守った。

 パワーと技の切れが融合しなければできない珍手だ。可能にした要因を問われ「ゆっくり休んだからじゃない?」とにんまり。先場所、横綱昇進後初の休場の原因となった左膝も今のところ不安は全くない。「大丈夫」と、力を込めた。

 ピンチをはねのけ36度目の優勝へ、心身ともに乗るばかり。「いい相撲を取っていきたいね」。いつもの“独り旅”は続きそうだ。

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