日馬富士、琴奨菊を瞬殺 1敗守る
「大相撲九州場所・10日目」(17日、福岡国際センター)
まさに瞬殺だった。日馬富士は立ち合いで当たってすぐに左まわしをつかみ、左へ動きながらの上手出し投げで琴奨菊を難なく転がした。わずか1秒4の早業で地元ファンの大声援を浴びる大関を転がして1敗を死守。高安、松鳳山、そして稀勢の里と白鵬を追う1敗力士が次々と星を落としていく展開になったが、横綱の意地を見せて踏ん張った。
支度部屋では「四つにならなければいいね。体が反応した」と納得の表情で取組を振り返った。10戦全勝の白鵬に1差で食い下がるただ一人の1敗となった。白鵬の独走を阻止するためにも、同じ横綱として13日目に予想される直接対決まで負けるわけにはいかない。
「全身全霊で頑張る。本当に一日一番の積み重ね。まずはあしたの一番だ。体はよく動いてくれている」と無心を強調。残り5日間の戦いへ静かに闘志を燃やした。帰り際には痛みのある左手首をトレーナーにほぐしてもらいケアは万全。2場所連続休場から不死鳥のようによみがえるか。
ちょうど2年前、13年の九州場所以来となる優勝へ、日馬富士がラストスパートをかける。