白鵬9年連続の年間最多勝が確定
「大相撲九州場所・12日目」(19日、福岡国際センター)
横綱白鵬は、大関琴奨菊を万全の右四つから寄り切って12連勝。今年66勝目を挙げ、自己記録を更新する9年連続9度目の年間最多勝が確定した。勝利数2位の大関照ノ富士は残り3日全勝でも65勝にとどまる。横綱日馬富士は大関豪栄道を押し出して1敗を堅守。13日目はただ一人全勝の白鵬と対戦する。
いよいよエンジンがかかってきた。白鵬は琴奨菊の当たりをがっちり受け止めて右四つの体勢につかまえると、あとは仕留めるタイミングをじっくり待った。地元ファンの大声援を浴びる大関に何もさせず、最後は腰を下ろして盤石の寄り切り。10日目の栃煌山戦で猫だましを連発して物議を醸したものの、11日目の稀勢の里戦から気を引き締め直し、全く隙のない取り口だ。
この白星で今年の勝利数が66になった。2位の照ノ富士に4勝差をつけて、3日間を残して単独での年間最多勝が確定。前人未到の9年連続9回目のタイトルとなり、自己記録をさらに伸ばした。しかも秋場所では横綱昇進後初めてとなる休場があっただけに、「先場所休んでどうなるか分からなかったけど、(初~名古屋の)4場所で積み重ねた白星が支えてくれたと思う」と満足そうに語った。
一場所休んでも、他の力士の追随を許さないケタ違いの安定ぶりがV9の原動力となった。北の湖理事長(元横綱)も「9年連続はなかなかできない。立派ですよ」と高く評価。優勝の行方を決める日馬富士との決戦についても「7・3で白鵬が有利。体の柔らかさ、大きさが違う」と断言した。自身初となる休場明けの復活Vへ、最大のヤマとなる一番も自然体で臨む。