37歳安美錦、昭和以降5位の年長金星
「大相撲初場所・3日目」(12日、両国国技館)
37歳3カ月の平幕安美錦が横綱鶴竜を押し出し、昭和以降5位となる年長金星をつかんだ。金星は自身8個目で09年5月場所で朝青龍から挙げて以来、6年8カ月ぶりだった。白鵬は松鳳山を寄り切り、3横綱では唯一の3連勝とした。大関は照ノ富士が逸ノ城に、豪栄道が栃ノ心にともに寄り切りで敗れた。
細い目が一層細くなった。安美錦が支度部屋で喜びを表現した。「DAIGOならKYだね。金星やったね!」。北川景子との結婚を発表したモテ男の決めゼリフをもじり、晴れ晴れと笑った。
ベテランらしい戦術がはまった。鶴竜の気迫をそらすため、立ち合いで一度待ったをし、迎えた2度目。相手の体を起こし、右から強烈なはたき。鶴竜は懸命に振り返ったが、この機を逃さず、豪快に押し出した。
記録ずくめの金星だ。37歳3カ月は昭和以降5位の年長金星。また、新入幕から93場所目の金星は寺尾(現錣山親方)の89場所を抜いて昭和以降で最長となった。「ランキングに名前が載ると元気になるよ」と笑みを浮かべた。
膝のけがをはじめ満身創痍(そうい)の状態でもなお土俵を沸かす。支えになっているのは13年に結婚した絵莉夫人の内助の功という。「結婚してから金星を取っていないし、見せてあげたかった」としみじみ話した。
今場所は東前頭筆頭で、勝ち越せば14年名古屋場所以来の三役復帰も見えてくる。鶴竜から初の金星で弾みをつけ「三賞、三役は励みになるね」。安美錦が平成の鉄人伝説をつくる。