白鵬40度目のストレート給金
「大相撲初場所・8日目」(17日、両国国技館)
横綱白鵬は新関脇の嘉風を寄り切り、自身の持つ最多記録を更新する40度目のストレート勝ち越しを決めた。気迫あふれる張り手の応酬で嘉風を“血祭り”にし、勝負が決した後、土俵下に投げ落とした。大関対決は琴奨菊が稀勢の里を寄り切り8連勝。全勝の2人を横綱日馬富士、平幕の隠岐の海、高安が1敗で追う。
返り血で胸を赤くした白鵬が土俵に仁王立ちした。立ち合い、強烈なのど輪にもひるまず、嘉風は張り返してきた。何発か顔に被弾し、闘志に火がついた。ガッチリと組み止めて寄り切ると、土俵下に投げ落とした。
相手が鼻と口から流血したほど激しい一番に「スピードに負けないようにいった。いい相撲だったと思う」と納得顔。33歳の新関脇を「初々しい。(挑戦者の心意気を)十分感じている」とたたえた。
気迫が前面に出た“ダメ押し”については「ハハッ、まあ、たまにはね」と苦笑い。審判部長の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「足が出ているかは白鵬は分からない」と、流れの中での“不可抗力”とした。
琴奨菊も8連勝とし、「『よしっ』という気持ちになった」と奮い立った。40度目のストレート勝ち越しは通過点。31歳大関との一騎打ちを楽しみながら、36度目の優勝へひた走る。