白鵬の“奇手”に館内ブーイング
「大相撲初場所・9日目」(18日、両国国技館)
横綱白鵬が関脇栃煌山を上手出し投げで退け、全勝を守った。先場所「猫だまし」を繰り出した相手に、立ち合いで右手を顔の前に差し出す“奇手”での白星。館内からはブーイングも起きた。大関琴奨菊も魁聖を寄り切って9連勝。琴勇輝に上手投げで勝った横綱日馬富士が1敗で追う。
白鵬が先場所に続く“奇手”で全勝を守った。立ち合いで右手を栃煌山の顔の前に差し出し、相手が泡を食ったと見るや、次の瞬間に体を左へ開き、瞬時に左の上手出し投げ。横綱の“変化”にも見える勝利に、館内から大きなブーイングが起こった。
九州場所10日目、同じ栃煌山を相手に「猫だまし」を繰り出して白星をつかんだ。その時は、主に軽量力士が苦し紛れに使う技を横綱が見せたということで、内外から大きな批判を浴びたが、今場所も変化ともとれる動きで勝ちをつかんだ。
支度部屋では落ち着き払った表情で「手を出した瞬間に勝負あった。変化じゃないからね。頭を使わないと。力比べじゃないんだから」と振り返り、ブーイングについては「それは申し訳ないけど、取り直しはできないから」と話した。
9連勝で琴奨菊とともにV戦線をけん引しているが、この日ばかりは後味の悪い勝利となった。