琴奨菊、持久力UPへ自転車トレに挑戦
大相撲春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)で初の綱とりに挑む大関琴奨菊(32)=佐渡ケ嶽=が4日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で朝稽古を再開し、午後には千葉競輪場で自転車トレーニングに挑戦した。15日間を戦い抜く持久力を高めるのが狙い。角界では珍しい試みで充実の時間を過ごし、悲願達成へ力強く第一歩を踏み出した。
体重180キロの琴奨菊を乗せた自転車が風を切った。1周500メートルの千葉競輪場を6周するハードトレーニング。新妻・祐未夫人(29)の熱い視線を浴びながら、歯を食いしばってやり遂げた。
「自転車は今後の(綱とりへの)対策のひとつ。これから厳しい稽古に入っていくので、耐久力をつけるということ」。自転車以外にも、エアロバイク1000メートル、タイヤ押し、「ケトルベル」という、やかん型ウエートを使う体幹トレーニングをこなした。
今回は塩田宗広トレーナーの発案。指導している陸上男子ハンマー投げの日本王者・野口裕史が日本競輪学校に合格し、千葉支部所属になった関係で、千葉競輪場で実施された。競輪選手らと合同で行い「しんどさに耐えるトレーニング。狙いは、心拍数を上げて、ほかのしんどいことをする際の恐怖心をなくすことに尽きる」と意義を説明した。
朝は、日本出身力士として10年ぶりに優勝した初場所千秋楽以来、11日ぶりに稽古を再開した。四股、すり足など基本動作と、最後に若い衆にぶつかって切り上げたが「足の裏で土俵の感覚を感じられてよかった。これから徐々にペースを上げていくけど、やることはひとつ、土俵で勝つこと」。目標とする先代師匠(元横綱琴桜)と同じ32歳での綱とりへ、滑り出しは順調だ。