琴奨菊、横綱昇進なら不知火型希望
大相撲春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)で綱とりを目指す大関琴奨菊(32)=佐渡ケ嶽=が16日、都内の日本記者クラブで会見し、横綱昇進を果たした場合、土俵入りの型は先代師匠(横綱琴桜)と同じ不知火型にする考えを明らかにした。また、「琴バウアー」か「菊バウアー」かで意見が分かれていた取組前に上体を反らすパフォーマンスの名前は「琴バウアー」で統一することに落ち着いた。
琴奨菊が最大級のリップサービスをした。40年以上の歴史がある国内唯一のナショナルプレスクラブ・日本記者クラブでの記者会見。司会者から綱とりに成功した場合、土俵入りの型を先代師匠の横綱琴桜と同じ不知火型にするか、あるいは故郷福岡県柳川市出身の横綱雲龍の雲竜型かと問われると「私を見つけてくれた先代(の不知火型)なのかな。まずは(横綱に)なれるように頑張ります」と答えた。
琴奨菊と同じ32歳で昇進した先代師匠は、当時は短命に終わるといわれた不知火型をあえて選択し、在位はわずか8場所。だが、現在は白鵬が10年の長きにわたって綱を張っており、ジンクス面の不安はない。ただ「今後頑張って、そう(横綱昇進)なったあかつきにはということ」と“ただし書き”はつけた。
この日は“懸案事項”だったパフォーマンス名の問題も解決した。かねてから「琴バウアー」か「菊バウアー」かで論議を呼び、11日には本人がアンケートによる決着を希望する事態に発展していたが、会見の最後に、外国通信社の女性記者に自ら「そちらの女性に聞いてください」と決定をムチャ振り。「琴バウアー」との回答を聞くと「先代(師匠の横綱琴桜)は琴という字は今に王になるという意味があると言っていました」と納得の笑みを浮かべた。