遠藤、強行出場へ 全休なら幕下危機

 「大相撲春場所」(13日初日、エディオンアリーナ大阪)

 右足首の負傷で初場所を途中休場し、東十両6枚目に転落した遠藤(25)=追手風=が10日、春場所への出場を明言した。関取衆と申し合いができるようになり、患部も回復しつつあることから判断した。ただ、完璧には遠く、師匠の追手風親方(元幕内大翔山)から見れば、状態は全盛期の「3分の1」と不安も抱える中での決断。新十両だった13年名古屋場所以来、16場所ぶりとなる十両で人気者が再スタートを切る。

 朝稽古後、遠藤は決断に至った胸の内を吐き出した。「段階を踏みながら、予定通り関取衆とも稽古できるようになった。足首がだいぶよくなった。久しぶりに相撲を取っているな、という感じ」。前夜、追手風親方と話し合って決断。イメージ通りに稽古を重ねられたことが大きかった。

 昨年の春場所、左膝前十字靱帯(じんたい)の断裂と半月板を損傷。夏場所に強行出場した。患部をかばって、昨秋に右足首も痛めた。ことしの初場所前に悪化させた影響もあって、7日目から途中休場。わずか1勝で十両へ転落した。

 完治を優先させて全休なら、幕下まで転落する状況での決断。昨年夏場所を思わせる強行出場に重なってみえる。追手風親方は「先場所みたいな、みっともない相撲を取らなくてもいいようになった」と回復を認めつつも「(状態はいい時の)3分の1。絶対的に稽古量が足りてない。一番問題なのは押された時。途中でけがしなければ…」と不安は隠せない。

 遠藤は「本場所の一番で、さらによくなっていく。体をしっかり整えながら番付を上げられればベスト。番付を戻すより体を戻さないとね、人間として」と笑みものぞかせた。14年春場所、東前頭筆頭で横綱と初対戦した思い出の浪速で再起をかける。

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