稀勢13勝 来場所以降に“綱いだ”
「大相撲春場所・千秋楽」(27日、エディオンアリーナ大阪)
稀勢の里が豪栄道との大関決戦を制し13勝目をマーク。5月の夏場所は綱とり場所にはならないものの、好成績を挙げれば、場所後に横綱昇進の声が上がる可能性も出てきた。
土俵下に控える稀勢の里の右に、白鵬の変化を食らった日馬富士が落ちた。その瞬間、初優勝の夢は散った。
豪栄道との2敗対決を制し自己最多タイの13勝。左を差し、右を抱えてパワフルな寄り切り。「いい相撲でした。いい終わり方」と充実感をあふれさせた。
11、12日目に白鵬、日馬富士と横綱に連敗。「直接対決で負けた。そういう弱さ」と悔いはある。一方で前半戦で下位力士に取りこぼす悪癖は消え、初日から10連勝。最後も盤石の3連勝締めだ。
八角理事長(元横綱北勝海)は「13勝は立派」と評価した。来場所の綱とりについては「相当ないい雰囲気が出てくればね。白鵬戦で頑張らないと。内容、結果ともに」と話し、全勝優勝するなど高いノルマをクリアすれば、即横綱昇進となる可能性も示唆した。
稀勢の里は「まだ優勝をしていない。高い意識を持ってやりたい」と、まずは初優勝に全力を尽くす。大関在位26場所で通算271勝を挙げ、1場所平均10勝以上の安定感。過去2度失敗した綱とりへ、雪辱のチャンスは巡ってきた。