新生審判部 駄目押し白鵬にダメ出す

 大相撲の二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)、友綱副部長(元関脇魁輝)、藤島副部長(元大関武双山)が26日に国技館相撲教習所で行われる力士会に乗り込み、危険な駄目押しを繰り返す横綱白鵬をはじめ力士に所作、立ち合いの正常化を求めることが20日、分かった。

 土俵の充実を掲げる八角理事長のもと、新生審判部が早くも動いた。連日大入り満員を記録した春場所(エディオンアリーナ大阪)は、その盛り上がりの陰で、力士の所作、立ち合いの乱れが目立った。中でも力士の模範となるべき横綱白鵬の駄目押しは、目に余るものがあった。

 4日目の隠岐の海戦で相手を押し出した後、右手で土俵下へ突き落とした。中日の嘉風戦は寄り切りで白星が確定したにもかかわらず、相手の左足を取って土俵下へ放り出し、審判部の井筒親方(元関脇逆鉾)に左足を骨折する大けがを負わせた。

 今回、審判部首脳が直々に力士会に乗り込むことを決めたのは、白鵬の駄目押しを筆頭に、まげつかみ、駆け引きのように故意に待ったをする立ち合いなど、相撲の品位を落とすような行為を土俵上から徹底排除するため。最古参の友綱副部長は「審判部の3人で話し、いろいろな乱れが目に余るようになったので、自分たちが出ていかなきゃいかんということになった。白鵬の駄目押しは前から気になっていた。相撲人気が戻ってきた今だからこそ、しっかりやっていかなくては」と厳しい口調で話した。

 3月末の理事会で八角理事長が再任され「北の湖前理事長の遺志を継ぎ、土俵の充実を最優先にやっていく」と方針を明確にした。土俵の正常化はまず頂点に立つ大横綱に率先垂範してもらい、他の力士に追随してほしい-。審判部が発するこのメッセージを力士会がどう受けとめるか。

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