新十両志摩ノ海 サミットに吉報届けた
日本相撲協会は25日、大相撲名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)の番付編成会議を開き、近大出身の浜口改め志摩ノ海(26)=木瀬=と元学生横綱で日体大出身の大輝(23)=八角=の新十両昇進を決めた。
伊勢志摩サミットで注目を集める地元に吉報を届けた。「サミットのタイミングで上がったら『すごい面白いよね』って話していたら、言ったとおりになっちゃった。一緒に取り上げてくれたらいいですね」。厳戒態勢でピリピリムードも漂う地元にとっては、心和む志摩ノ海の新十両昇進。入門4年でつかんだ関取に26歳は目を細めた。
新しいしこ名は地元・三重県志摩市と師匠の木瀬親方が現役時代に名乗った「肥後ノ海」から取った。「家族から『志摩』を付けてほしい願望があった」と志摩ノ海。新十両も視界に入る西幕下4枚目だった2013年名古屋場所で候補として浮かんでいたが、左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがで頓挫。ようやくしこ名の書かれた紙を掲げられた志摩ノ海も胸をなで下ろした。
目指すのは武双山(現藤島親方)や琴奨菊のような、前に出て圧倒する相撲だ。「体を生かした大きい相撲、相手を全部押し出すような相撲を取りたい」と力を込める志摩ノ海に木瀬親方も「けがをしてからの稽古量は部屋で一番。どうなったら勝てるかを研究して上に上がってほしい」と期待を寄せる。下の名前の航洋には「海を渡る大きな子になれ」との意味が込められている。名古屋から関取としての新たな“航海”に出る。