移転する貴乃花部屋 静かに最後の稽古
東京都中野区から江東区に移転する大相撲の貴乃花部屋で16日、移転前最後の稽古が行われた。師匠の貴乃花親方(元横綱)や関取衆は不在。幕下以下の力士が約1時間半、四股などで汗を流し、師匠と3代目若乃花の兄弟横綱を生むなど、1990年代の大相撲ブームを支えた土俵に静かに別れを告げた。
同部屋は82年に貴乃花親方の父で元大関貴ノ花の花田満氏が藤島部屋として設立。93年に合併で二子山部屋になり、2004年に同親方が継承し現在の名称となった。「若貴兄弟」以外にも大関貴ノ浪、関脇安芸乃島、貴闘力らの名力士を輩出した。
力士たちは17日から順次引っ越し、新部屋での稽古は7月の名古屋場所後になる予定。幕下の19歳、貴源治は「寂しさはある。(中野区の)ここは二子山部屋の黄金時代の場所。新しい所では貴乃花部屋の黄金時代をつくりたい」と口元を引き締めた。