藤浪“お宝”映像入りパソコン手に入寮
阪神の新人6選手が8日、兵庫・鳴尾浜の虎風荘に入寮した。ドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=は、ダルビッシュ有投手(26)(レンジャーズ)や元ヤンキースのロジャー・クレメンス氏(50)らの映像を取り込んだデスクトップパソコンを持参。一流投手の映像を教材に、究極のフォームを目指す。
寮の部屋でも投手の研究は欠かさない。スーパールーキー藤浪が寮に持ち込んだ“秘密兵器”は、日米の超一流投手の映像を取り込んだデスクトップパソコンだ。
「いろんな映像があります。うまくまとめてもらっているので有効活用して使っていきたいです」
昨年10月ごろに知人から手に入れたという貴重なプレー映像集。パソコンの画面に映し出されるのは、藤浪があこがれる藤川球児(カブス)、ダルビッシュ有(レンジャーズ)、前田健太(広島)。さらにメジャー最多7度のサイ・ヤング賞に輝いたロジャー・クレメンス氏(元ヤンキース)、メジャーリーグ現役最高の投手とも呼ばれるジャスティン・バーランダー(タイガース)ら、米球界を代表する投手の映像も含まれている。
「ブルペンの真後ろや至近距離から撮った貴重な映像がたくさん入っています。自分で線を引いたりするソフトも入っているので、勉強したいと思います」
2画面で同時再生や、映像の上に書き込みができる多機能ソフトが取り込まれており、自分と他投手の投球フォームを比較することも可能だ。対戦する打者心理を解説した映像集もあり、「理論とか、バッターの考え方も勉強したいです」と強い探求心を見せた。
入寮した現在の心境は「期待半分、不安半分」だという。大阪桐蔭時代は三人部屋だったが、今度は一人部屋。「リラックスすることも、独りでいろいろ考える時間も大事です。独りの時間を大切にしていきたい」と、誰にも邪魔されない空間で、じっくりと自分磨きを進めるつもりだ。
10日からいよいよ新人合同自主トレが始まる。この日も報道陣約80人、テレビカメラ6台が藤浪の姿を追った。注目度は増す一方だが、「しっかり練習してきたものを見せてアピールしたいです」と表情を引き締めた。
当面の目標は春季キャンプの1軍スタートだ。すでに和田監督はケガさえなければ1軍スタートの方針を示している。「ありがたいですし、やる限りは目指したい」と藤浪も力を込めた。目指すは究極の投球フォーム、球史に名を残す先輩たちに負けない大投手。志高く、スーパールーキーのプロ生活が幕を開けた。