和田監督が藤浪バネ絶賛「新庄のよう」
阪神の和田豊監督(50)が10日、鳴尾浜で行われた新人合同自主トレを視察した。ドラフト1位の藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=のランニング姿を見て、「新庄のようにバネがある」とかつてのスター選手を引き合いに出して絶賛した指揮官。新人6人を前に7分間の訓示を行い、マイペース調整の重要性を説いた。他の首脳陣もスーパールーキーを高評価した。
期待にたがわぬダイヤモンドの輝きに、和田監督は自然と表情を緩ませた。キラリと光ったのは投げる姿ではない。ヒョウのようにストライドを大きく取り、跳びはねるように進む藤浪のランニング姿‐。「新庄が入ってきた時のよう」と“虎のプリンス”を引き合いに出して絶賛した。
「跳びはねるような躍動感というか。走り方でも一つのセンスとして出るから。いいものを持っているし、非常に楽しみだと感じました」と声を弾ませた指揮官。現役時代、初めて見た新庄の姿が20年超の時を経て藤浪とダブって映った。
長身でやせ形の体形だけでなく、全身にバネが内蔵されているかのような走り方。前評判にたがわぬ素質の高さに手応えを感じ、すべてのメニューを精力的にこなしたドラフト1位ルーキーに「しっかり練習を積んできたなという感じがした」と目を細める。
「投げているところが見られなかったのが残念だった」とバックネット裏にいたため、ブルペン投球を見ることはできなかった。ただ見守った中西投手コーチは「手足の長さを感じる。18・44メートルが16メートルくらいに感じる」と言えば、黒田ヘッドコーチも「名門校でしっかりと練習をやってきたという感じ。キャッチボールでも躍動感がある」。首脳陣が一様に評価するコメントを残すなど、母校を春夏連覇に導いた右腕の力は本物だ。
すでに1軍キャンプ帯同が“内定”している右腕。和田監督は改めて「クリアしないといけないところはあるけど、現時点としては(沖縄に)連れて行くにふさわしい、体力的な部分はクリアできている」と言った。
唯一の不安はオーバーペースによる故障。アップ終了後には新人6選手を三塁ベンチ前に集め「これだけの人が見ている中、焦らずに自分のパフォーマンスをしてほしい。ケガしない、ケガに強い体を作ってほしい」と訓示した。キャンプへ向けて高鳴る指揮官の鼓動。金の卵は限りない可能性を秘めている。