藤浪にエース道!1軍C主力組プラン
阪神の新人合同自主トレが12日、鳴尾浜で行われ、ドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=が2度目のブルペン入りを果たした。前回と違い、隣で白仁田、清原が捕手を座らせて投げていたが、動じる様子もなく淡々と自らの課題を消化した右腕。中西投手コーチはその精神力の強さを絶賛し、内定している沖縄キャンプでは主力組に入れるプランも披露した。
動じない。隣で白仁田がミットをうならせても、藤浪はビクともしない。頭にあったのは自らの課題を消化することだけ。焦ることなく、淡々と自分のリズムで捕手を立たせたまま30球を投じた。18歳とは思えない精神力。これに中西投手コーチがうなった。
「自分のペースでしっかり投げられている。高卒に見えない?そうだな。あんまり周りを気にしないタイプみたいだし」。今自主トレ2度目のブルペン入り。前回と違って“先輩”の白仁田、清原がレーンを隔てて捕手を座らせながらビュンビュン、放っていた。
ブルペンに響く心地よい捕球音。普通の高卒選手ならそれに触発されてもおかしくはない。ライバル心、焦り。投手ならイヤでもギアを上げたくなる状況だ。それでも藤浪は「だからと言って自分がアピールしなきゃいけないとは思わないですし」。1球1球、手の位置、下半身の使い方を入念に確かめながらボールを投じた。
「プロの投手のボールを見るのは初めて。高校生とは違うボールを投げていたし、勉強になりました」と語る右腕。高校時代から「同級生の沢田と隣で投げていて、2人で話をしたり、良いなと思ったところは投球をやめて聞いたりしていました」と“見て盗む”クセをつけてきた。
周囲に惑わされないタフな精神力、そして何でも吸収しようとするどん欲な姿勢。こんな18歳だからこそ中西コーチは「(沖縄キャンプの)組分けも考えないと。若いヤツらと一緒にさせてもあれだし、ベテラン組とか主力のスローペース組とか」。能見、メッセ、スタン、久保、岩田ら虎の台所を支える投手たちと一緒に練習させ、エース道をたたき込むプランだ。
藤浪が投球練習を行っている間、ブルペン脇で和田監督、中西投手コーチ、黒田ヘッドが会談。改めて健康状態に問題がなければ宜野座へ連れて行く方針を確認した。
藤浪自身も「もしそうなれば、いろいろ話を聞いてみたいと思います。自分からペラペラしゃべるのもあれなんで、(主力から)声をかけられたタイミングで聞いてみたいと思います」。猛者たちが集う場所へ放り込んでも金の卵は耐えうる‐。それだけのずぶとさが、身長197センチの大きな体に備わっている。