能見WBC3連覇へ「力にならないと」
阪神・能見篤史投手(33)がデイリースポーツのインタビューに応じて日本代表への熱い思いを明かした。山本監督とは、過去に好投した試合を偶然にも何度か解説の立場で見られていたという、不思議な縁がある。自身の成長の「目撃者」でもある指揮官を、3連覇で胴上げするために全てを捧げる。
‐候補に選ばれた時の心境というのは?
「えっ、あれっ、オレが入ってるって感じ。驚いたと言うかね」
‐家族の反応は?
「やっぱり良いことと言うか、名誉あることですからね。そんな感じですかね。祝福されたという感じで」
‐過去2大会のWBCの印象は。
「日本代表としてがんばってほしいというのと、凄いなという感じて見てましたよ。その場の雰囲気もそうですし、選ばれているピッチャーとかが凄いなと」
‐日本代表として戦うことの意味、日の丸の重みも感じる?
「一発勝負とか、やはり勝たないといけないところでのプレッシャーとかですかね」
‐過去、社会人時代にオランダのハーレム国際大会に出場したが、その時とは重みが違う?
「日本代表として戦うのはそれが初めてでしたけど、その時とも全然違いますね」
‐その当時も日本代表という喜びはあった。
「ただその時は、選ばれてもどっちかと言えば主戦でやるというのとは違った。キューバを相手に壮行試合で投げましたけど、大会では投げなかったので。(投げた相手は)オランダとかにでしたからね」
‐今回は主戦として。
「まずは最終的にメンバーに選ばれないとダメですが、とにかく役割を全うするだけ。3連覇がかかっている戦いですからね」
‐例年より早く仕上げる難しさがあるが。
「ボールもそうですし、3月にいい状態にというのが、今回初めてのことなんで難しいところ。自主トレとキャンプでしっかりやりたい」
‐ボールの不安は?
「どうしてもしっとり感がない。指にかかるかかからないかで変わってくる。あとは縫い目も、かかる部分、ポイントを見つけないと思ったところに投げられない。選ばれる可能性がある中で、3連覇に向けて足を引っ張るわけにはいかないので」
‐変化球の曲がりが、イメージより一段階大きいという印象があると。
「抜けたりとか、そういうのは出てくるでしょうけど、投げる感覚としてはある程度持っておかないといけないから、しっかり投げられるようになってからが(調整の重要度が)大きい」
‐外国の打者にはタテの変化が有効となるだけに変化球が重要に。
「僕はタテで勝負しますからね。ただ、危険性も伴っている。落ちるのであれば問題ないですけど、落ちなかった時にリスクは高いですし。腕を振ることはできますから、(スタイルは)変わらないですね」
‐キャンプでの投球練習は基本的にWBC球?
「そうなると思いますよ」
‐代表の舞台でも、他球団のエース級の投手との時間は刺激になる。
「刺激はこれからあるでしょうね。オールスターの時には(他の投手のブルペンなどに)興味はあったけど時間がなかったし、見る機会もなかったので。今回はブルペンで投げたりもするでしょうしね。(WBCの舞台で)僕も一つ成長はできるでしょうね」
‐候補に選ばれた時には、山本監督から電話を受けた。
「ありましたね。(内容は)『まあ、そういうことやから』という感じでしたかね」
‐山本監督からは良い印象を持たれている。
「監督が解説で来ていた時には、いいピッチングができていた。09年のちょうど巨人戦の東京ドーム(09年7月19日、9回2安打12三振)で1‐0で延長戦で勝った時に、星野さん(現楽天監督)と解説に来られていた。そういうのもあってか、『能見にはいいイメージしかない』と言ってもらってました」
‐ブレークし始めたころからの目撃者でもある。
「先発で回る前に、新潟での広島戦(09年7月8日)で、3回で7三振を取ったことがあって、その時も山本監督が解説だったので」
‐山本監督の胴上げ、そして3連覇が最大の目標に。
「少しでも貢献できるようにしないといけない。力にならないといけない。期待には応えられるようにしたい」