藤浪“ジャンピング投法”でオレ流修正
阪神の藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=が新人合同自主トレ第2クール初日となる15日、鳴尾浜のブルペンで“ジャンピング投法”を披露した。黄金ルーキーは「軸足に体重を乗せてから投げようと思って取り組みました」と意図を説明した。ブルペンでの珍しい姿に投球を見守った山口投手コーチも驚きを隠せなかった。
197センチの藤浪がブルペンのプレート上で跳びはねた。『ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん』。セットポジションから左足を上げた状態で、右足1本で小さくジャンプを繰り返す。軸足に体重をしっかり乗せ、右腕を振り抜くと、糸を引くような球が小豆畑のミットに吸い込まれた。
「あまり体重が(軸足に)乗っていないと思ったので。しっかり自分の軸足に体重を乗せてから投げようと思って取り組みました」
大阪桐蔭の恩師・西谷監督から指導を受け、始めた“ジャンピング投法”。「こうして投げた方が自分の投げ方が安定すると(西谷監督から)言われたので、今でも大切にしています」と高校時代から続ける“藤浪流”修正法だ。
藤浪にとってルーティンのひとつだ。毎日のキャッチボールや遠投で必ず取り入れている。だがブルペンで“ジャンピング投法”を披露するのは初めてだった。
珍しい光景に驚きの表情を浮かべたのは山口投手コーチだ。「軸足に体重をしっかり乗せたいということやろうな。キャッチボールではやっていた。皆(軸足を)意識しているけど、(ブルペンで)表現するというのはなかなかいない」
この日が3度目となるブルペン入り。投じた33球のうち、32球がセットポジションだった。ここにもスーパールーキーの明確な意図がある。「本格的なピッチングをしているわけでもないのですし、セットポジションの方が安定するので。フォームの確認というか、リリースと体重移動の確認のためです」と説明した。「キャッチボールの延長」と語るブルペンではラスト1球のみ「7割ぐらいの力」で勢いのある球を投げた。
初めてブルペンで受けた小豆畑は「腕の振りの速さ、球の速さ、ボールの回転はすごいなあと思いました。リリースはたまに乱れましたけど、修正できるのは大人のピッチャーですね」と脱帽するしかなかった。
毎日のように見る者に新たな驚きを与える藤浪。調整が進むに連れて少しずつそのベールを脱いでいく。