3・29開幕戦は能見!和田監督が指名
勝負の年はエースで開幕する!阪神・和田豊監督(50)が16日、3月29日のヤクルトとの開幕戦(神宮)に能見篤史投手(33)を指名した。3月にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)があるため、日本代表に選ばれている能見に調整の難しさが残る。それでも開幕投手へ意欲を見せたエースの男気に、指揮官が応える形となった。和田監督はこの日、鳴尾浜での新人合同自主トレを視察した。
エースの覚悟が指揮官の胸に熱く突き刺さる。逆襲の2013年がスタートする開幕戦。和田監督は「この何年か、そういう責任を果たしている選手。調整が順調なら、そのポジションに座る、その日を迎える可能性が一番高い」と早くも開幕投手に能見を指名した。
昨季まで2年連続で開幕投手を務めた能見。順当に行けば、3年連続3度目の大役を務めることは、ごく自然な流れだ。ただ、今年はWBC日本代表候補に選ばれている状況が、ネックとなる。
和田監督が「役割も変わるだろうし、多少は変化がある」と想定するように、能見は代表ではリリーフで起用されることが濃厚。3月の本大会に合わせ、調整も例年より約3週間早いペースで進めている。その中でWBC球への対応という課題もあるなど、取り巻く状況の変化は大きい。
日程の問題もある。日本が米・サンフランシスコでの決勝戦まで駒を進めれば、3月20日(日本時間)まで代表としての戦いが続く。そこから10日足らずで開幕を迎えるなど、難しい調整を強いられるのは明らかだ。
だが、エースの看板を背負う能見は「自分の中ではWBCも大事でシーズンも大事」と開幕投手へ意欲を見せる。和田監督も「期するものがあると思う。チームも去年は思い通りにシーズンが過ごせなかった」と、エースの今季に懸ける覚悟のほどを十分に感じ取った。
虎の躍進にエースの活躍は不可欠。「能見がエースとして、中心になってやってもらわないといけない」と存在の大きさを語る一方で、日の丸を背負い、たくましさを増す姿を望んでもいる。
「(WBCでも)優勝してもらいたい。その上で、しっかり調整ができて開幕となれば、それが一番いいね」。覇権奪取を目指す阪神。開幕を迎える神宮のマウンドに、世界一で成長を遂げた背番号「14」が立つ。和田監督の視線の先に、その光景がハッキリと見えている。