阪神・久保康友投手（３２）が１７日、沖縄県の石垣島中央運動公園でロッテ・渡辺らとの自主トレを公開した。今季は抑えのため、自主トレではストッパー調整でほぼ毎日ブルペン入り。石垣出身の元ボクシング王者・具志堅用高氏の記念館を過去に訪れたことも明かし、世界王座防衛の日本記録を持つ男のように、最終回を「防衛」する。

　南国の風を浴び、静かに準備を進めていた。「（力は）半分ぐらい」と感触を確かめながらのブルペンは、捕手を立たせたままながらも、しっかりと球数を数えて３９球。もう少し投げても、という気持ちを抑えながら、見据えるのは九回のマウンド。久保の戦いは始まっている。

　「ブルペンには毎日に近い形で入れるようにはしてます。例年よりは球数を少なく、数多く入るようにしてます。昨日と一昨日は座らせて。毎日投げての体の反応とか、データも引き出したかったので。練習後の張りならこれぐらいとか」

　今季から新たに抑えを任されるため、７日からの石垣自主トレ初日から取り組むストッパー調整。３勤１休のペースで練習し、ブルペン投球を休んだのも「２回ぐらい」と話す。初の経験ということもあってまだ手探りの状態だが、少しでもベストなものを作れるように試行錯誤する段階だ。

　「３０～４０球ぐらいで自分のボールを投げられないと厳しいでしょうし。投げないで肩を作れてベストパフォーマンスができるのがいいですけど」

　球数は何球がベストか、多めに投げた場合の疲労はどうなるか、どうやって回復させればいいか。やるべきことは多いが、任された以上はやるしかない。キャンプでも今の調整を続ける考えで「肩と相談しながら。ちょっとケガしないぐらいのギリギリのラインを測りながら」と意気込む。

　昨年に続く石垣島での自主トレ。守護神として汗を流すには適した？場所でもある。石垣島は元ＷＢＡ世界ライトフライ級王者で、世界王座防衛１３度の日本人世界王者の最多記録を持つ具志堅用高氏の出身地だ。

　石垣島には具志堅用高記念館もあり「（ロッテ時代の）１年目に行ったことあると思いますけど。（細かい）記憶はないです。面識はないです。（記念館は）ちゃんと見たというか『ああ、これが記念館か』という感じでした」と振り返る。自身が「防衛」するのは最終回のマウンド。難しくても、チームのためにリードを守り抜くだけだ。