西岡を“赤星ロード”でバックアップ
今季から阪神に加入する西岡剛内野手(28)に対し、チームが“赤星ロード”復活へ準備を進めていくことが22日、明らかになった。久慈照嘉内野守備走塁コーチ(43)は、内野が土の甲子園を本拠地にすることで「要望があれば言って欲しい」とバックアップを約束。キャンプから密にコミュニケーションを取り、“西岡の足”を最大限に生かす土壌を作り上げる。
通算381盗塁をマークした赤星憲広氏。そのスピードを最大限にアシストした“道”が、聖地に復活するかもしれない。久慈内野守備走塁コーチは新加入の西岡に対し「走ることに意欲を持っているのであれば。要望があればどんどん言ってほしい」と全面的にバックアップする考えだ。
赤星氏が現役だった09年まで甲子園の一、二塁間走路は、スピードを生かすために通常よりも硬く仕上げられていた。一般的に土のグラウンドは人工芝と比べて走りづらいとされ、優勝した03年に岡田守備走塁コーチの発案で“赤星ロード”が完成。だが同氏の引退後はチーム内に機動力を生かす選手が少なかったことから、通常仕様に戻っている。
久慈コーチは「本人も土のグラウンドをメーンにやるのは初めてだろうから。グラウンドの土が軟らかいとか硬いとか、感じたことを言ってほしい。こちらから(スタッフへ)伝えてもいい」と、その力を最大限に引き出せるように準備を整える方針。本人にとって内野が全面土のグラウンドを本拠地とするのはプロ入り初めて。昨年11月の入団会見時には「不安はないですけど、課題だなとは思っています」。走塁だけでなく守備面でもクリアすべきポイントの一つと目している。
過去にはメジャー帰りの城島が、10年シーズン序盤に送球の強さを増すため、本塁付近の足場を固めてほしいと要望。グラウンドを管理する阪神園芸スタッフも快諾し、プレーをアシストした。現在、甲子園のグラウンドはシーズンへ向けて掘り返し作業などの準備に入っている。同スタッフは「まだオープン戦中は軟らかい。シーズンに入って、そう言った要望があれば対応する」と協力を惜しまない。
新天地で不退転のシーズンに臨む西岡。自主トレではスピード系のメニューを中心に取り入れ、盗塁増へ意欲を見せている。機動力アップは阪神にとって積年の課題。チームとして西岡の足を全力でサポートする。