藤浪1軍C決定!英才調整で開幕ローテ
阪神は23日、兵庫県西宮市の鳴尾浜で1、2軍合同コーチ会議を開きドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=の沖縄1軍キャンプ参加を正式決定した。中西清起投手コーチ(50)は開幕ローテ入りを視野に入れた調整法を明かした。実戦登板は3月までなし、“英才調整”で開幕を目指す。
黄金伝説は、沖縄から始まる。平成以降のドラフトでの高卒新人が、1軍キャンプメンバーに入るのは球団史上初。ただ藤浪は、それにとどまらない。早くも開幕ローテ入りを視野に入れた調整プランが用意された。
中西コーチの決断に迷いはない。「大きく言えば(目標は)開幕ローテ。初登板の実戦から逆算してやっていく」。虎史上初となる高卒1年目の開幕ローテ入り。歴史的快挙の青写真は、すでにできている。
第1クールはブルペンに入り、立ち投げのみ。捕手を座らせるのは第2クール以降。オーバーワークは御法度、無理は絶対にさせない。その上で、キャンプ終盤となる2月下旬にフリー打撃に登板させる。実戦登板は2月中は避け3月のオープン戦になってからだ。
チーム方針はサバイバルキャンプだが、藤浪は「別格」とし、入れ替えも行わない方針を打ち出した。「故障していたら別だけど、基本的にはこっちで決めたスケジュール通りにやっていく」。無理なく調整を進め、主力のそばでじっくり英才教育を施す考えだ。
明確な計画を立てられるのも、新人合同自主トレを順調にこなした結果があるから。以前から、1軍キャンプ参加条件を「健康状態」と設定していた中西コーチ。新人合同トレも第4クールに突入したが、メニューも無難に消化している。
この日は、10日から始まった合同トレで7度目となるブルペン入り。8割程度の力で38球を投じた。投球終了後、小豆畑とともに馬場チーフマネジャーから1軍行きを告げられた藤浪。「体の状態、筋力などは高校の現役時代に戻ってきている」とキャンプインに備え、調整が順調であることを明かした。
1軍キャンプでは、プロの調整を目の当たりにする。1日に100球、200球投げる先輩投手もいる。大阪桐蔭時代、ブルペンで「多くて60球ぐらい」という藤浪が、先輩投手の投げ込みを前に、オーバーペースになることも考えられる。
だが「セーブするのも大事だけど、しっかりやることも大事。加減をうまくしながら、自分を磨いていきたい」と藤浪はオレ流を貫くことを宣言した。藤浪伝説の幕開け。そのスタートラインに立った。