北條2軍スタート決定も鳥谷抜け後招集
阪神・和田豊監督(50)は23日、西宮市内の鳴尾浜球場で行われたスタッフ会議後、鳥谷敬内野手(31)がWBC日本代表の宮崎合宿で抜ける春季キャンプ中盤以降に、2軍スタートが決定したドラフト2位・北條史也内野手(18)=光星学院=を1軍招集する可能性を示唆した。主力の故障に備え、若手底上げを含めた危機管理を万全にし、2年目の巻き返しを図る。
同じ轍(てつ)を踏むことは許されない。「昨年の5位を忘れてはいけない。(キャンプを)普通にやって、普通に開幕を迎えようとは思っていない」。引き締まった指揮官の表情に、2年目の巻き返しを図る決意の大きさを表していた。
そのために重要視したのが「危機管理」だ。1年目の経験から「シーズンでは、いろいろなことが起こる。起こるべきことは、キャンプ、オープン戦の段階ですべてやっておく」。そこで鳥谷がWBCで抜ける2月14日以降を、若手のテストに充てる。
「もし鳥谷がいない時にはこうしようと、引き出しを持っていないと」。短期間ならば、西岡や大和でカバーできる。だが「長期離脱となれば、新しいことを考えないといけない。黒瀬、安芸には坂、北條がいる」と代役候補の中に、新人・北條の名前を挙げた。
虎の将来を担う大器。それだけに北條の育成については「ファームでやるべきことがある。その中で進めていきたい」というのが基本線だ。その上で「どれぐらいの力があるのか。(2軍の)報告を聞いて判断する」と、キャンプ中での1軍招集の可能性に言及した。
ドラフト1位の藤浪と同様に、北條に対する評価も高い。「(WBC期間中は)他の選手にチャンスが生まれる。アピールの時期。(鳥谷が)抜ける機会を、どう生かしていくかだね」と大きな期待をかけた。
キャンプ2軍スタートが決定した北條も「まだまだ1軍のレベルではない。しっかり2軍で鍛えてもらって頑張りたい」としながら、指揮官の言葉に「それまでに、しっかり体を作って準備したい」と意欲を見せた。
金本、城島、球児が去り「チームとして生まれ変わるキャンプ。はい上がる気持ちでやりたい」と和田監督は言葉に力を込めた。そのために必要なのは、若手台頭で層を増した強固な虎軍団。無限の可能性を秘めた北條の豪打が、猛虎再生の産声となるかもしれない。