藤浪へ小山氏から「大投手への3カ条」
320勝投手が黄金右腕に猛ゲキだ。デイリースポーツ評論家の小山正明氏(78)が25日、兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で行われた阪神新人合同自主トレ第4クール最終日を視察。期待のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=について、プロで大成するための課題を熱く語った。
伝説の右腕が、鋭い視線を送る。その先に、藤浪の姿があった。小山氏が藤浪の投球を見るのは、10日の新人合同自主トレ初日以来2度目だ。
藤浪自身、今自主トレ8度目となるブルペン。小豆畑相手に40球を投げた。小山氏は「前回よりも、腕の振りが速くなってきた。球の勢いも出ている」と、威力を増した速球に目を細めた。
ただし、一方で、投球フォームの課題を指摘。「テークバックが少し小さい。テークバックを大きくして(上げた)左足を、もう少しひねるように(体の内側に)入ってくればいい。お尻から打者に入ってくるような感じだね」と話した。
並の新人ならば、今のままでも申し分ない。だが藤浪は、阪神だけでなく、日本のエースとして球界の将来を担う逸材。「去年の春夏の甲子園を見たが、非凡なものがあった。大きな体の投手は不器用な面もあるが、藤浪にはそれがない。いい動きをしていた」と、資質を高く評価すればこその厳しい指摘だ。
フォームの課題が修正されなければ、「プロは試合数も違うし、長丁場になる。スタミナ切れや、故障につながる恐れもある」という。小山氏は右腕の将来をも案じて、コメントを発した。
続けて「ばらつきはあったが、見るべき球もあった。それが(割合で)80%を超えないと、プロで通用しない」。これらの課題クリアに向けては「十分な体づくりが一番大事」と繰り返した。
合同自主トレ第4クールを終え、「しっかりケガせず、充実した練習ができた」と藤浪。この日の母校・大阪桐蔭での卒業式予行練習には不参加。「練習できるなら練習した方がいい」と、学校側の配慮で自主トレを行った。
「針の穴をも通す」と称された制球力で、勝利を積み上げた小山氏。「頑張ってくれれば、阪神の先発陣に入れる」。18歳右腕に、自身を超える大投手誕生を願った。