全野手対象の夜間練習で水谷イズム注入

 振りまくれ‐。沖縄入りした阪神・水谷実雄チーフ打撃コーチ(65)が30日、春季キャンプ中の夜間練習として、全野手を対象に素振りを課す方針を示した。貧打解消の至上命題を背負った鬼軍曹。朝鍛夕練の精神で、猛虎打線再建に挑む。

 水谷チーフ打撃コーチ「宿舎では夜に素振りをやらそうと思うとるんよ。振る数はそんなに多くなくたっていい。真剣に振れば。とにかく速い球に振り負けないスイングを身につけさせんことには、なんも始まらんからな」

 評論家の視点でネット裏からタテジマの戦いを見続けた昨年、速球派投手にてこずる場面を何度も目にした。技量差以前の問題として、150キロ超の速球を確実に捉え、打ち返すだけのスイングスピードが不足していると映った。

 「やっぱりバッターいうのはな、速い真っすぐを打ち返してナンボ。それができんようではアカン。速いスイングを身につけるには、打ち込みじゃなくて素振りなんよ」。各人に限界まで挑ませ、風を切り裂く武器を手に入れさせる。

 朝は早出特打に始まり、日が暮れるまで球場で居残り特打を組み、夜は宿舎で素振り。暖かい風が肌を伝う南国。環境は申し分ない。敗者から勝者への再生。24時間野球漬けの日々となる。

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