コンラッド140M弾!右で3連発
「阪神春季キャンプ」(2日、宜野座)
阪神の新外国人、ブルックス・コンラッド内野手(33)がランチ特打で3連発と推定140メートル弾を放つ大暴れを見せた。左右の両打席で合計51スイングで9本の柵越え。初めて打撃練習を見た中日・佐藤秀樹スコアラー(42)も、メジャー通算18本塁打のスイッチヒッターに警戒心を強めた。
晴天に描いた9本の放物線でファンの視線をくぎ付けにした。キャンプ初の週末。コンラッドが大暴れだ。ともにランチ特打に臨んだマートンと一番の歓声を浴びた。
三塁ベンチに引き揚げる際には背番号42にスタンドから大歓声が降り注ぐ。新助っ人はヘルメットを取ってファンの声に応えた。「きのうに比べたら2人ともいいスイングができた。スタンドを喜ばせられたんじゃないかな。まだタイミングがずれているところはあるけど、いい形で打てた」。太い両腕を組むと満足そうに頬を緩めた。
元々は右打ちで、本格的に両打ちを始めたのは高校入学1年前。「パワーがある」と自信も見せていた右打席で見せた。
本来は素手で打つが、前日のランチ特打でマメがつぶれかけたためこの日は手袋を着用してスタート。12スイング目に左中間席へ初の柵越えを放つと、ここから3連発を放った。18スイング目は98メートルの左翼フェンスの後方、約20メートルに設置された防球ネットの下部に当たる推定140メートル弾だ。右打席では24スイングで6本の柵越えだった。
左打席ではノーアーチが続くと、13スイング目からは「ブルックス!ブルックス!」とファンがはやし立てた。コールに乗って14スイング目にバックスクリーン右へ一発。左打席は27スイングで3本の柵越えを放った。
合計51スイングで9発。1日のランチ特打は56スイングで柵越えは2本だった。一変した姿に周囲の評価は急上昇した。和田監督は「きょうの方がはるかに振れていた。パンチ力があるね」。スタンドから見つめた中日・佐藤スコアラーも「右は力強くて、左はシュア。スイングに変なクセがないし、上下移動もしない。けっこうやりそうな雰囲気がある」と警戒を強めた。
キャンプでは常にマートンと練習している。日本球界の先輩に助言を求めることもあれば、宿舎では野球談議ばかりだという。日本野球に適応しようとする勤勉さも兼ね備えたコンラッド。ブレークの予感が漂っている。