隼太変身!由伸打法で柵越え7発
「阪神春季キャンプ」(4日、宜野座)
1年の時を経て、別人と化した打球が、澄み切った南国の青空を駆けた。逆風をものともしない低く、鋭いライナーが、右方向だけでなく、左方向にも飛ぶ。ミート率8割。飛距離も大幅にアップした。阪神・伊藤隼太外野手(23)が成長の跡をしるした。
今キャンプ2度目の特打で計144スイング。フェンスオーバー7本の弾道にパワーアップしたインパクトを残し、左方向に安打性の強く、角度のある打球を放つ姿に技術面での進歩、向上を感じた。
昨秋から右足を上げて踏み込む新打法に取り組み、1月の沖縄自主トレでは、慶大の先輩である巨人・高橋由を模倣し、改善を加えた。大型新人として期待された昨春のキャンプでは環境、レベルの差に戸惑いを感じ、触れ込み通りの打棒は見られなかったが、やはりドラフト1位の資質は高かったことを証明した。
「ようなっとるよ。左方向に強い打球を打てるようになった。今まではひとつのコースしか打てなかったけど、今は満遍なくどのコースも捉えられる」と水谷チーフ打撃コーチは成長の一端を認めた。
まだ完成の途中だ。「対応の幅が広がってる実感はありますけど、でもまだまだです」。褐色に日焼けした顔がきりりと締まる。残した結果が自信を呼ぶ。スタメン出場が濃厚な10日の日本ハム戦(名護)が試金石となる。