鶴、開幕ローテに名乗り!フリーで熱投
「阪神春季キャンプ」(5日、宜野座)
先発ローテ入りへ、猛アピールだ。阪神・鶴直人投手(25)が5日、フリー打撃に登板し、51球を投げて安打性の当たりが7本という内容を見せた。上本と黒瀬を相手に、直球の仕上がりにも手応えを感じ、和田監督からの評価は上々。昨年は中継ぎで奮闘した右腕が、先発ローテ入りを目指して勝負をかける。
清水の構えたミット越しに、開幕ローテにつながる光が見えた。全てに納得がいったわけではなくても、確かな手応えが残る。必死に放った鋭いボールに、熱い思いも乗せた51球。鶴の熱投は、首脳陣にも十分に伝わるものだった。
「バランスとか、力を入れすぎないように投げました。力まないように。真っすぐは良かったと思います。(ローテ入りは)そこしか考えてないので入れるようにがんばりたい」
今年にかける意気込みを示したマウンドだった。最初の上本との対戦では、高めの直球で空振りを奪う場面もあり、31球を投げ、安打性が3本。続く黒瀬には20球で安打性4本だった。変化球はカーブ、カットボール、チェンジアップ。「変化球はあまり良くなかったですけど」と改善の余地は残しながらも充実の内容となった。
「キャンプ5日目という中でも、しっかり投げられたと思います」と鶴。キャンプ初日のブルペンでは、中西投手コーチから「鶴が良かった」と名指しで評価された。昨年に続いてカブス・藤川らと行った1月の合同自主トレでは、さらなる技術の向上を目指して取り組み、その日々の成果が発揮されている。
昨年は中継ぎでロングリリーフの役割を担い、一年間1軍で戦った。今季は先発としてスタートする。先発ローテは能見や岩田、両外国人投手に加えて、ルーキーの藤浪やベテラン・安藤らとの競争に。厳しい戦いだが、遅れることなく、しっかりと争える位置にいることは確かだ。
見守った和田監督は「ローテ争いというところで、『オレが何とか』というところが非常に見えて、すごくいいんじゃないか」と高く評価した。順調に調整を進めるが、挑戦は続く。「バッターに投げるのは久しぶりだったんで。これからシート(打撃)とかもあると思うので」と鶴。慢心はない。開幕ローテだけを見つめて戦っていく。