大和超進化!3安打!センター任せろ
「練習試合、日本ハム2-7阪神」(10日、名護)
阪神は10日、名護市営球場で日本ハムとの練習試合を行い、今キャンプ初となる対外試合を7対2の快勝で飾った。「2番・中堅」でスタメン出場した大和内野手(25)がけん引役となり、3安打3打点1盗塁の大暴れ。首脳陣から「風格が出てきた」など称賛の声が相次ぐ中堅争いの最有力候補が、進化した姿を初実戦で見せつけた。
たった1年でここまで成長するものなのか‐。迷いがないスイング、守備、そして走塁。中堅レギュラーの最有力候補に位置する大和が、初実戦で“格”の違いを見せつけた。昨季、128試合に出場した経験が自信となって、攻めの姿勢を生み出している。
三回の第2打席、左前打で出塁すると、続けざまに二盗を決めた。続く四回1死満塁で迎えた第3打席では、内角直球をきれいに振り抜き、打球は深々と左中間を破る走者一掃の3点二塁打。極めつきは九回、左前打で出塁すると続く伊藤隼の三邪飛の間にタッチアップして二塁を陥れた。
守りでも七回に谷口が放った痛烈なセンターライナーを前に飛び込んで好捕した。「気持ち的にも去年、外野をやっているので違う。自信もありますし」。大和の口からこぼれてきた“自信”という2文字。
第2、3打席はファーストストライクから打ちに行って一振りで仕留めた。第5打席も直球をファウルしたあとのチェンジアップを完ぺきに左前へ打ち返した。二盗を決めた場面も、上本が二盗失敗の直後にスタートを切った。自信から生み出される積極性が、急成長の確かな証拠だ。
打撃面でも意識を変えた。昨年の秋季練習中、関川打撃コーチが大和に「お前が一番、打っている球は何だ?」と質問した。本人は「直球です」と答えたが、データでは変化球をとらえた安打が大半を占めていた。自己認識を改めた。一流投手の直球を打ち返すためには何が必要か‐。オフに体重を4キロ増やし、上下運動が少ない打撃フォームを模索した。
持ち前のスピードに正しい努力で力を蓄えた大和。山脇外野守備走塁コーチは「打撃にしても、守備にしても、走塁にしても見ている感じがだいぶ落ち着いてきた」。水谷チーフ打撃コーチが「大和な、あれはちょっとええぞ」と絶賛すれば、関川打撃コーチも「打席で風格が出てきた」と首脳陣も一様に賛辞を惜しまない。
「3本とも芯でとらえられたので良かったけど、右投手から打てなかったのが課題。もっとアピールしないといけない」とさらなる高みを目指す背番号0。大和が不動の中堅手に成長すれば‐。鳥谷、西岡と形成するセンターラインは宿敵・巨人をも凌駕(りょうが)できる。