藤浪の“魔球”フォークに藤井彰驚がく
「阪神春季キャンプ」(11日、宜野座)
阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=が11日、宜野座村野球場で2日連続のブルペン入り。“ゆれる”フォークを披露し、初めて変化球を受けた藤井彰人捕手(36)を驚かせた。また初めて藤浪の球を見た坂井信也オーナー(65)も「初めて藤川くんを見たときと同じくらいの迫力を感じた」と目を丸くした。
藤井彰が捕球し損なった“魔球”。百戦錬磨のベテランが思わず「うわー」と声をあげた。藤浪が投じたフォークが想像を超える変化を見せながら落ちたのだ。
「ちょっと揺れる感じがあったね。低めにワンバウンドにきていたのはいい落ち方をしていた。いい感じじゃないかな」
楽天時代には岩隈(現マリナーズ)のフォーク、田中のスプリット。絶対的エースの代名詞とも言える決め球を受けてきた藤井彰でさえ驚きを隠せなかった。
視察に訪れていた広島の井生スコアラーも「横から見ていても結構、落差があった。藤井さんが取りづらそうにしていたぐらいだから」と証言。
ただ藤浪本人に驚きはない。決して揺れるように投げているわけではないからだ。「まれですね。揺れたり、揺れなかったり」。
高校時代も投げてはいたが決め球はMAX153キロを誇る直球であり、スライダーとカットボールだった。プロでは「フォークで空振りをとれるように。勝負球にしていきたい」と新たな決め球にするべく精度を上げていく。
初めて2日連続で捕手を座らせた第2クール最終日。前日に続いて6種類の変化球すべてを披露した。プロ入り最多となる52球。初めて見るゴールデンルーキーの投球に坂井オーナーもご満悦だった。今季からカブスに移籍した藤川球児の姿と重ね合わせた。
「皆さんの報道の通り非常にしっかりしている。あまり他球団の選手を見たことはないけど、非常に迫力を感じる。初めて藤川くんを見たときと同じくらいの迫力を感じた。堂々としているね」 オーナーに就任した08年、藤川の成績は8勝1敗38セーブという圧倒的な成績を残した。防御率も驚異の0・67だった。伝え聞いた藤浪は「目指すべきところです。そう言ってもらえるようにやっていきたい」。スーパールーキーの未来は輝きに満ちている。