秋山、一発“快投”開幕ローテに名乗り

 「阪神紅白戦、白0-2紅」(13日、宜野座)

 気迫が指先から白球に乗り移った。このチャンス逃してなるものか‐。阪神・秋山拓巳投手(21)が2回を1安打、無失点。2回を無失点に抑えた2軍での11日・西武戦に続く好投。昇格即のマウンドで開幕ローテ争いに名乗りを上げた。

 自分の投球に徹した。テンポ良く、小刻みなリズムで腕を振った。最速141キロ。外角に逃げるスライダーで上本に空を切らせ、内角の直球でマートンのバットから鈍い音を生ませた。4年目。力強さが伴っていた。

 「カット(ボール)が良かった。真っすぐも指に掛かっている」と中西投手コーチ。和田監督も「最初にこっち(宜野座)のメンバーから漏れた悔しさもあっただろうけど、成長して上がってきてるなと。変化が見て取れた」と評した。

 プレートの左端に軸足を置いた。久保2軍投手コーチの助言を受け、安芸キャンプから取り組み始めた秋山のチャレンジ。腕が横ぶりになる悪癖を解消し、187センチの長身を生かした角度のある球を投げるための自己改革だ。

 「ちょっと力が入りすぎました。納得はしてませんけど、少しずつ強い球が行きだしたので」。反省と収穫の両方を感じた23球。結果次第では即2軍降格もあったマウンドで成長の一端を見せた。スタートラインから踏み出した第一歩。もう後戻りはしない。

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