鳥谷 二塁「合格」侍サバイバル好発進
「WBC日本代表合宿」(15日、宮崎サンマリン)
第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表候補33人による合宿が始まった。午後のシートノックでは、阪神・鳥谷敬内野手(31)が二塁の位置で堅実な守備を披露。遊撃からのコンバートとなるが、山本浩二監督(66)から「合格点」をもらう充実の初日となった。21日までの合宿中に最終28選手を決定。大会3連覇を目指す戦いは、3月2日のブラジル戦(ヤフオクドーム)で幕を開ける。
南国の日差しを浴びた純白のユニホームが、鮮やかに光る。背番号「1」が、軽快に跳ねる。緊張感を漂わせながらも、時折見せる笑顔に充実感がにじんだ。本職でなくても、プレーぶりは堂々としたもの。鳥谷の披露した二塁の守備が、首脳陣を安心させた。
午前中は室内で打撃練習などに取り組み、天気が回復した午後のメーン球場でのシートノックが、見せ場となった。松井、本多らと二塁に入ると違和感を感じさせない動きを展開。「6‐4‐3」や「4‐6‐3」の併殺を狙う動きの中でも、遊撃の坂本、井端らと息の合ったプレーでスタンドのファンも沸かせた。
「(二塁守備は)十分。高代が注意したのはスライディングを想定したところを気を付けろと。想定してプレーしろと」と山本監督。鳥谷の二塁に手応えを感じた上で、気にかけたのは一走が仕掛けてくるスライディング。鳥谷も意識していたことで準備に抜かりはない。練習の合間、松井との会話の中で対処法を授かっていた。
松井は、その会話を「(外国の選手は)スライディングが厳しいかどうかを話しました。よけ方とかさばき方とか僕なりの意見ですけど」と振り返る。しっかりとした対処が必要となるクロスプレー。日本と同じ感覚では、大ケガにつながる可能性もあるからだ。
「そういう話はしました。ケガを防止するというのもあるので」と鳥谷。メジャーでのプレー経験がある松井だからこその、説得力のあるアドバイス。世界一に挑戦するというチームの目標がある中でも、こういった「金言」に触れられることはさらなるレベルアップにもつながってくる。
約30分のシートノックでは、エラーとみられるプレーはわずか一度だけ。その後は、坂本らと精力的に特守にも取り組んだ。今後は、二塁と並行して遊撃や三塁の守備練習にも取り組む予定。まだ候補の段階とは言え、確かな居場所が見えてきた合宿初日となった。