能見2回無安打3K!中国戦先発も

 「強化試合、日本代表0‐7広島」(17日、宮崎)

 侍ジャパンと広島との強化試合が17日、宮崎市内のサンマリンスタジアム宮崎で行われ、能見篤史投手(33)=阪神=が2回無安打3三振と好投した。山本監督も高く評価した投球で、今後は第2先発ということだけでなく、1次ラウンド3戦目のキューバ戦や、前田の状態次第で2戦目の中国戦の先発候補にも急浮上。なお、試合は0‐7で敗れた。

 自身の可能性を広げ、日本代表の選手起用にも大きな幅をもたらせた34球だ。チーム全体が停滞気味の中、余計に際立った能見の存在感。選手選考の意味合いもあったマウンドに、2回無安打の満点解答で応えた。

 「緊張はしましたけど、いい緊張感の中でできたので良かったです。結果が出て良かったです。変化球はイメージ通りに投げられました」

 堂々の投球だった。田中に続き三回から登板し、先頭の菊池からフォークで空振り三振を奪うとそこで頭を「侍仕様」にチェンジ。1死からルイス、エルドレッドと続く打順で「外国人打者との対戦」を意識に置いた。

 「外国人打者とも対戦できたし、そういう意味でもいいイメージを持てるようになりました」。納得の表情で振り返ったように、初対戦のルイスを直球で遊ゴロに打ち取り、エルドレッドはフォークで空振り三振に。本大会で対戦するのは未知の打者ばかり。国際試合を想定したのはそれだけじゃない。

 さらに意識したのは球審のジャッジだ。四回は1死から堂林をスライダーで空振り三振を奪い、続く丸に追い込んでからの6球目がストライクかと思われたが判定はボールに。この日の球審は台湾の国際審判。日本と判定の異なる部分もあるが「最悪の想定はしながらやってたので」と、今後につながる経験となった。

 山本監督は「腕を振っていいピッチングだった。能見は収穫。起用法はこれから」と振り返った。直球に課題を残したものの変化球の威力は健在。首脳陣の評価は高く、第2先発ではなく1次ラウンドでは田中、前田に続いてキューバ戦の先発の可能性もある。また、前田の状態次第では2戦目の中国戦での先発も浮上してくる。

 テストされながら、テストを試みた内容ある一日。不安もあるが、代表では充実の日々を送る。合宿初日から他の選手の投球を眺め、練習ではキャッチボール相手の牧田のボールに「力があるね。パワーピッチャーだけあって」と目を輝かせた。新たな刺激が「何か成長はできるでしょうね」と次なる成長へのヒントにも成り得るからだ。

 故障と隣り合わせの中、キャンプで球数を投げ込んできたのも全ては日本のため。「貢献できるようにどこでも投げるつもりです」。築きつつある自身の居場所。日本代表の中にあっても、左腕の輝きは色あせない。

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