良太、MVP2連覇で開幕4番候補だ!
「阪神春季キャンプ」(22日、宜野座)
MVP2連覇で「開幕4番」が見えてきた!新井良太内野手(29)が、和田監督から2年連続で1軍キャンプの最高殊勲選手に選ばれた。昨年キャンプは“声枠”でMVPをゲットしたが、和田監督は「今年は力と内容が伴っていた」と評価。初めて良太を「開幕4番候補」と認めた。
昨年は印象で獲(と)った。今年は実力で奪った。宜野座MVPは2年連続で良太。和田監督はキャンプ総括会見で、迷わずその名を口にした。
「2連覇ですね。去年は声だけでMVPを獲ったけど、今年は力と内容が伴っていた」。
指揮官の評価通り、良太はキャンプ中の対外試合で結果を残した。ここまで5試合はすべて4番でスタメン出場。22打数8安打4打点、打率・364は期間限定とはいえ、期待感を抱かせる価値ある数字だ。
「素直にうれしい。自分は元気枠なんで。元気良くやっていたからだと思う。とにかく大事なのはシーズン。これを恩義に感じて頑張る。去年は我慢して使ってもらったことも多々ある。今年はチームの勝利に貢献して、監督を男にしたい」
MVPの報を聞いた良太は22日間の疲労を漂わせず、恩返しを誓った。昨季途中から阪神の第93代4番を任されたが、今オフの大補強でスタメン予想から名前が消えた。謙虚な言葉を並べるが、心中は違う。心意気だけで張れるポジションでないことを承知しながら、「もう一度…」の決意は固まっている。
「まずは試合に出ること。そう(4番に指名)したいと思わせるような姿を見せたい。気合を入れて、シーズンに向けて、ますます熱くギラつかせていきたい」
そこにいるだけでグラウンドに活気が生まれる。雰囲気がパッと明るくなる。福留、西岡、コンラッドら新戦力にとっても、良太の存在は貴重だったはずだ。昨年は「元気」「声」の印象がMVP受賞の理由だったかもしれない。だが、今年はそこに「力」が加わった。1年前とは見違える良太のたくましさが、首脳陣の心を動かした。
和田監督はこの日「ここまでの打席を見ていると、候補の1人」と、開幕4番を良太に任せる可能性に初めて言及した。良太は「(4番は)2月限定じゃないですか?」と首を横に振ったが、指揮官は、新打線の核に良太が座る青写真をはっきりと描き始めている。