コン激走!制止振り切り“Vゴール”
「WBC強化試合、阪神1‐0日本代表」(26日、京セラ)
暴走と紙一重の激走だった。阪神・コンラッドが足で決勝点を生み出した。
二塁走者として迎えた五回1死二塁。伊藤隼のライナー性の鋭い打球が二遊間を破った。
アウトカウントと次打者が1番ということ考慮すれば、決して無理をする場面ではない。吉竹三塁ランナーコーチが両手を広げて止めていた。だが、助っ人はスピードを緩めず三塁を蹴った。
中堅・長野の送球も一塁側へそれて、完全なセーフ。結果的にこれが決勝点となった。とはいえ、本番では、結果オーライでは済まされないケースがたくさんある。シーズンに入れば致命的なミスになりかねない。
「結果的にああいう形で点は入った。(吉竹コーチの指示を)無視したわけじゃないが、自分のミスだった。コーチが止めている以上、止まらないといけなかった。次回からはこういうことがないようにしたい」と助っ人は猛省した。
現段階で来日1年目のコンラッドの走力は未知数。吉竹コーチは「あの後で話はした。シーズンで結果オーライじゃいけないからね。でも、コンラッドの走力は分かった」と手応えを口にしたように、収穫もあった。
和田監督は「コーチも足の速さを分かったんじゃないか。思っていたよりも速かったね」と一定の評価を下した。試合では2四球を選び、あらためて選球眼の高さを見せた。打つだけではない…かもしれない。コンラッドは計り知れない魅力を秘めている。