コンラッド本物や!豪弾に選球眼も抜群

 「練習試合、西武1‐10阪神」(3日、春野)

 阪神の新外国人、ブルックス・コンラッド内野手(33)が3日、西武との練習試合(春野)に「6番・三塁」で出場し、右越え2ランを含む2安打3打点の大活躍だ。和田豊監督(50)は、日本人投手の配球を熱心に研究するなど勤勉家の超優良助っ人になお一層、期待感を高めた。

 昨日の悔しさをバットに乗せ、はるか上空彼方(かなた)へと吹き飛ばした。4点リードの三回1死二塁。コンラッドが放った一撃は、ファンの大歓声が待ち受ける右翼席へ。来日から実戦3本目の2ランで、序盤の怒とうの猛攻を締めくくった。

 「手応えはあったけど、広い球場だと聞いていたのでね。入るかどうか分からなかったけど、入って良かったよ」と謙そん気味に話したコンちゃん。そんな言葉とは裏腹に、打った瞬間にそれと分かる、豪快な一発だ。

 前日2日のオリックスとの練習試合(安芸)では、初回にフォークボールに手を出し空振り三振。珍しく打席で悔しがるしぐさを見せていた。一夜明けて「(今日は)得点圏で、いい打席が送れた。打てる球を逃さず打てたよ」と、フラストレーションをグラウンドで一気に解消した。

 初回にも痛烈な右翼線二塁打を放つなど、この日は計3打数2安打3打点。ここまで実戦11試合に出場し、打率・476、3本塁打、8打点と、その打棒は猛威を振るっている。そして、もう1つ特筆すべき点は出塁率の高さだ。

 計8四球を選び、出塁率は実に・621。これが、日本で活躍できるかどうかの分岐点となる。水谷チーフ打撃コーチは「ストライクからボールになる球だな。これから増えてくるので、それを見極められるかどうか」と見通しを示した。

 今後対戦する一線級投手の変化球を、見極められるか。そのためにコンちゃんも日々の努力を欠かさない。来日4年目となるマートンに、日本人投手の配球などを聞き、研究を重ねている。

 「パンチ力はかなりあるね」。そう感嘆の声を上げた和田監督も「昨日はフォークを振って悔しがっていたけどね。これから、いい投手が出てくる。早く日本の配球に慣れてくれれば」。これまで見せた選球眼。そこに配球に対する読みが加われば、指揮官の期待に十分応える活躍が約束される。

 肌寒い春野でも、いつも通り半袖姿でプレーする。「今日は天気もいいし、よっぽどの寒さでなければ半袖だよ。やっぱり袖がない方が動きやすい」。それも身上とするハッスルプレーの源だ。このまま開幕まで、いや頂点をつかむ日まで、コンちゃんが豪快な一撃で打線に活気を与え続ける。

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