「オープン戦、阪神１３-５中日」（５日、鳴門）

　どちらも合格点を得るまでには至らなかった。阪神では鶴ＶＳ岩本の先発争い直接対決。ともに４回を投げたが、課題を残す内容で痛み分け。“追試”が決まった。残り１枠をかけた開幕ローテ争いはまだ終わらない。

　対外試合初先発の鶴は、ほぼベスト布陣の強竜打線に挑んだ。だが二回２死二、三塁から谷に左中間２点適時打を浴びるなど、４回３失点。「結果を求めながら内容も、という中で納得のいく結果を残せなかった」と反省の言葉が口を突いた。低いマウンドや強風と悪条件が重なったが、言い訳はしなかった。

　岩本は六回から登板。七回に押し出し四球などで２失点。前回ヤクルト戦での５失点から巻き返しを誓っていたが、悔やまれる４回２失点となった。中西投手コーチはともに修正点があるとした上で「（２人とも）もちろん先発で」と今後も先発テストを継続する考えを示した。鶴には次回登板で６回を投げさせる予定でいる。

　ただ力を見せた場面もあった。鶴は三回に失点した後、和田、クラークと中軸から連続空振り三振を奪った。岩本も九回１死三塁から堂上直をスローカーブを２球続けて捕邪飛。代打柳田を外角直球で見逃し三振に仕留めた。岩本は「悪いイニングもあったが思い切りいけた」と収穫も口にした。最後の１枠をかけたサバイバル。次回こそ、混沌（こんとん）とした状況から抜け出したい。