岩田“新球”スローカーブで緩急自在
「オープン戦、阪神6‐3ロッテ」(8日、甲子園)
阪神・岩田に新たな“武器”が加わった。五回、1死から清田に投じた105キロのスローカーブ。今までになかった球種で簡単に初球ストライクを奪うと、続けざまに116キロのカーブでファウルを打たせて追い込んだ。この組み立てに、左腕の確かな進化を感じさせた。
「今まで無かったわけではないですけど、あまり投げてなかった。今後は試しながらですね。緩急を使わないとしんどい部分もあるので」とスローカーブについて振り返った。昨年までは140キロ台中盤の直球に持ち味のツーシーム、120キロ台中盤のスライダーとフォークが組み立ての基本となっていた。
その間の球速差はおよそ20キロ。ここに100キロ台のスローカーブが加われば、投球の幅が広がるのは明白だ。この日は四回に伊志嶺に一発を浴びたものの、5回を無四球で投げきり2安打1失点。テンポ良くストライクを先行させ、56球で投げきり「長いイニングを投げるためには球数を少なく。緩急も必要」と試合前、自らに課したテーマをクリアした。
キャンプ中から踏み出した右足がインステップするクセを修正し、キレと角度があるきれいな直球も投げられるようになった。ここ2年は規定投球回に達しながらも、黒星が大きく先行した。「ローテを守りながら勝ち越し」を目標に掲げる左腕が、緩急という新たな武器を駆使して白星を積み上げる。