福留、好走魅せた!スキ突き全力二塁打
「オープン戦、阪神2‐3日本ハム」(9日、甲子園)
阪神の福留孝介外野手(35)が激走で魅せた。五回に中堅右への単打性の当たりを、全力疾走で二塁打にした。和田監督を「見習っていかないといけない」とうならせる好走塁で得点を演出。シートノックではレーザービームを披露し、背番号8が週末の聖地を大きく沸かせた。阪神のオープン戦連勝は5で止まった。
打って守るだけじゃない。グラウンドに出ればわずかなスキでも狙う。福留が自身のプレースタイルを凝縮した好走塁を見せた。
五回無死。ウルフの低めのツーシームを捉えると、ライナーが中堅の定位置からやや右翼側へ飛んだ。吉竹作戦・守備走塁コーチが「二塁に行ったらアウトかなと思った」と振り返る鋭い打球。福留はバットを投げた瞬間から二塁打にするつもりだった。
中堅・谷口が回り込んで打球を処理しようとするのを確認すると、迷わず一塁を蹴った。スタンドが沸く。大歓声にも乗って、スライディングで間一髪、二塁を陥れた。「走れるうちは(体に)問題はないしね。迷いはなかった」。平然と振り返ったが、首脳陣はあらためて福留の意識の高さを感じ取った。
和田監督は「最初から行くつもりで二塁を狙っている。見習っていかないといけない。スキあらば、ということでやってくれている」とチームの模範となる好走塁を称賛。吉竹コーチも「パーフェクトな走塁だった。打った瞬間から(次の塁を狙う)気持ちがないとね」と褒めちぎった。
シートノックでは最後のバックホームで、矢のようなワンバウンド送球を披露した。指揮官が「全てで丁寧にやってくれている」と話したように段階を踏んだ調整で肩の状態は上がってきた。
オープン戦は15打数3安打、打率・200。結果は数字には表れていないが「タイミングが取れて、自分のスイングができてきている」と打撃にも悲観した様子はない。
調整に狂いはなく、チーム全体を見る余裕もある。「勝つに越したことはないけど、(チームのために)どうするということを考えて、理解しながらやらないとね。(シーズンでも)それが当たり前のようにできればいい」と好調なチームを引き締めるように、目的意識の重要性を説いた。春本番が近づくにつれて、全開目前となった背番号8。阪神に新しい息吹を吹き込み続けている。