福留&西岡、プレーで被災地へ勇気を!

 未曽有の大災害となった東日本大震災から、3月11日で2年。震災の日は米国にいた阪神の福留孝介外野手(35)、西岡剛内野手(28)が10日、日本球界復帰1年目で、あらためて復興への思いを口にし、自らのプレーで被災地へ勇気を送ることを誓った。10日に予定されていたオープン戦・阪神‐巨人(甲子園)は、降雨によるグラウンド不良のため中止となった。

 あの日、アメリカで、テレビ画面に映っている映像が信じられなかった。母国が、生まれ育った日本が直面した未曽有の大災害‐。「まるで映画の一シーンを見ているようだった」と西岡は振り返り、福留も「最初、何が流れてるんだろうと思った」と容易には理解できなかった。

 当時は2人ともメジャーのキャンプに参加。ニュースを通して大きくなっていく被害状況に、いても立ってもいられなかった。アメリカにいながら自分たちができること‐。西岡は「現実に自分の母国でそういうことが起こっているなんて信じられなかった」とすぐさま1000万円の義援金を日本へ送った。

 「向こうの選手も『大丈夫か?』と心配してくれた」と語る福留も、総額100万ドル(約8400万円)に達する義援金を送った。東日本大震災から2年。日本球界復帰1年目となるシーズンを前に、今季はそのプレーで被災地を勇気づけることがプロ野球選手としての使命だ。

 「僕らがプレーすることで勇気を与えられれば。それで何かを与えることができれば。それができるのは僕たちだから」と福留は力を込める。西岡は「今も苦しんでいる方たちがいる。僕らは野球しかできないけど、闘っている人たちのためにも、1日1日をムダにしないようにしないといけない」と沈痛な面持ちで、決意を新たにした。

 被災地にも阪神ファン、そして多くの野球ファンがいる。苦しい局面でも前を向く姿勢、全力で立ち向かっていく姿を見せることが、人々の心を奮い立たせる。それが野球の底力‐。「楽天の嶋が言ったように、野球の底力で一回でも多く笑顔になってもらえるように頑張ります」と和田監督は誓った。

 日本人が復興へ歩む姿には新加入のコンラッドも心を打たれており「そういう方も見ているのであれば、特に全力を尽くしたい」。強いタイガース、そしてプロ野球を盛り上げることが、被災地への大きなメッセージになる。

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