コンラッドあいさつ代わりのV満塁弾!
「オープン戦、DeNA4‐14阪神」(15日、横浜)
長い滞空時間の末に左翼席へ届いたアーチ。阪神・コンラッドが描いた、美しいの一言に尽きる右打席初アーチだ。しかも決勝満塁弾。「大事なところで打てて良かった」と語る助っ人の表情からは、安どの色がにじんだ。
三回。1死満塁で迎えた第2打席。佐藤のカウント1ボールからの2球目、内角寄り138キロ直球に対して、フルスイングではなかった。左肩を開かず、バットに乗せるように打ち返した。打球は追い風にも乗り、左翼席へ着弾。オープン戦2号は、関東の阪神ファンへあいさつ代わりとなるグランドスラムだ。
オープン戦が進むに連れ、助っ人の打棒は少し悪癖がのぞくようになっていた。低めの変化球に我慢できず、追いかけてバットが空を切る悪循環にはまった。それが左打席よりもパワーのある右打席で顕著となり、甲子園に戻った7日のロッテ戦以降、6打席で4三振を喫していた。
14日の全体練習中に関川打撃コーチと打撃フォームを修正。「ステイバックをしっかりとってスイングした。練習で取り組んだことをしっかり意識できた」とコンラッド。五回の第3打席では、フルカウントから低めの変化球を見極めて四球を選んだ。和田監督は「日本の配球はこうなんだと感じ取ったんじゃないかな」と評価した。
修正能力は長丁場の144試合を戦う上で大切な要素。コンラッドが、価値ある一発と内容の濃い四球で、その能力の一端を示した。