西岡、恐怖の1番!好機で勝負ツヨシ
「オープン戦、広島1-7阪神」(21日、倉敷)
先頭でも好機でも任せろ!阪神の西岡剛内野手(28)が初回、先頭打者として口火を切る中前打を放つと、五回は右前適時打で追加点をたたき出した。オープン戦で打率・484と絶好調の背番号7が、リードオフマンとクラッチヒッターの“二刀流”の活躍を見せ、オープン戦の連敗を4で止めた。
きっと何かをやってくれる。背番号7が打席に立つと、球場に充満する高揚感。西岡がバットで期待に応えた。
初回は大竹から中前打を放った。オープン戦は8試合で1番として出場している。そのうち5試合で初回の第1打席で安打を放って打率・625。相手の先発投手の出はなをくじき続ける切り込み隊長は、1‐0で迎えた五回1死一、三塁でも魅せた。
「先制点を取ったので、早く2点目を取らないといけないと思っていた」。1ボールから大竹が投じた変化球を捉えると、ライナーが二塁の頭上を越えた。追加点をたたき出す右前適時打。阪神移籍後、初見参となる岡山の虎党に存在感を示した。
先頭でもよし、好機でもよし。さらにオープン戦は10試合で打率・484となった。無安打は16日のロッテ戦(QVC)だけで、コンスタントに快音を響かせている。
和田監督は「打席での内容がいい。凡打でも凡打の内容がいい。このまま開幕に向かって欲しい」。絶好調のトップバッターに最敬礼だった。
背番号7は打つだけで終わらなかった。七回1死。初球から2球連続でセーフティーバントの構えを見せた。ともにバットは引いたが明確な意図があった。
「2球目もできたらやろうと思っていた。(内野手が)前に来たらプッシュ(バント)をしてもよかった。間が空いていたんで面白いかなと思った」。相手のスキをうかがい、得点への糸口を見つけ出す。常に攻撃にアクセントを付けるくせ者らしい揺さぶりだった。
29日のヤクルトとの開幕戦(神宮)まで10日を切った。チームとしての戦いぶりにも手応えを感じている。「1イニングおきに点が取れるのは強い勝ち方だと思う。チームも勢いに乗っていきやすい」。快勝以上に試合内容にも満足していた。
ロッテで2度の日本一に輝いた経験から、打線のつながりの重要性も説いた。「下位(打線)が打てばチームは勝つ。7、8、9番が打つチームは強い。上位に回ればホームランを打てるバッターもいるから。シーズンでもそういう戦いができればいい」。8年ぶりのV奪回には欠かせない打線の奮起。西岡がその旗手となる。