藤浪は強気6回KOも「感覚つかめた」
「オープン戦、オリックス9‐1阪神」(24日、京セラ)
阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=が、開幕前最終登板となるオリックス戦(京セラ)でプロ初KOを喫した。中盤から崩れ、5回0/3を8安打6失点。それでも本人は課題よりも収穫を口にした。開幕3戦目(31日)のヤクルト戦先発へ、強気な姿勢が頼もしい。ドラフト制以降の高卒新人ではチーム史上初となる開幕ローテ投手として、神宮のマウンドに立つ。
交代を告げられると、藤浪は帽子を取って汗をぬぐった。小走りでベンチに戻るルーキーにスタンドから温かい声援が送られた。六回、無死満塁からT‐岡田に2点適時打を浴び、結果は5回0/3、8安打6失点。プロで初めて味わったKO劇。だが、藤浪は強気に大きな手応えを口にした。
「点は多く取られましたけど、収穫が多かったです。意味のある試合でした。こうしたらバッターを抑えられるという感覚が少しずつつかめてきました」
実戦4度目のマウンドは“ダル流”セットポジションで試合に入った。「今日のブルペンの時点で決めました。セットの方が無駄な動きが少なくて安定していると思ったので」。その言葉通り、三回まで無四球投球を続けた。最速150キロをマークし、三振も5つ奪った。
四回以降に崩れた要因は調整ミス。登板前日のブルペンで「ボールが良くなかった」と83球もの球数を投げた。中西投手コーチは「前日投げすぎだな。そこを変えようという話はした。40球ぐらいまでの調整をしないといけない」と今後への課題を挙げた。ノースローを含めて、藤浪に合う調整法を見つけ出していく考えだ。
それだけ強い気持ちで臨んだ一戦でもあった。2度目の対戦となったオリックス打線について「ホームランバッターなのか、当ててくるバッターなのか。見ているだけでも違う」と話し、この日までに試合を見学。試合前の練習中には片山ブルペン捕手に「マウンドを見ていいですか?」とマウンドのチェックも怠らなかった。
公式戦でのプロ初登板の舞台は31日、開幕3戦目のヤクルト戦(神宮)だ。視察に訪れたヤクルトの志田スコアラーは「球数を投げられたのは収穫でしょうね。いいピッチャーというのは間違いない。しっかり対策を立てたい」と警戒を強めた。
「(状態は)決して悪くないです。完璧とは言えないですけど、ある程度、それなりの状態には持っていけてると思います」と“大一番”を前に自信を見せた藤浪。調整ミスなど失敗もあったがやるべきことはやった。あとは本番でベストピッチを披露するだけだ。